2018年01月04日

文芸イベント『かきあげ!』へのお誘い


 唐突ですが紹介したくなったので紹介します。

 私が常連で参加しているネット上の文芸イベントに『かきあげ!』というものがあります。

https://kakiage.org

 内容は以下の通りです。


・参加者は締め切りまでに、指定された分量の短編作品をサイトにアップロードする。

(今回の締め切りは1月28日です)

・集まった作品が一斉に公開され、参加者同士で感想を書きあう。

・良いと思った作品に投票する。最多得票作品は表彰される。

・投票結果を参考にして、編集部が10作品程度を選び同人誌を作る。


 主宰はhidesukeさんという方で、ウェブ関係のお仕事をしながら趣味で小説を書かれています。本業で培ったノウハウを活用して2014年に『かきあげ!』のサイトを立ち上げました。

 イベントは年2回、夏と冬に開催されます。毎回異なる「お題」が提示されますが、参加者はお題を生かすも良し、無視するも良し、作品のジャンル不問、とにかく締め切りまでに作品を書き上げてサイトにアップロードします。

 毎回30作品程度が集まりますが、1人で2作品以上書かれる人もいます。大雑把にカウントしたところでは常連さんが15名程度で、毎回数名のご新規さんが参加されているようです。特に厳しい参加資格は設けていませんので(日本語の読み書きができることと、常識的なネットリテラシーくらいか)、このコラムをお読みの方もご興味があれば是非ご参加ください。


 ひとつ、参加者に要求されているのは「他の参加者の作品を読んで感想を書き込むこと」です。

 所定の日に作品が一斉に公開され、それぞれの作品にコメント欄がついています。できれば1ヶ月以内に感想を書きます。私は常連参加で慣れてしまいましたが、不慣れな方だと短編とはいえ30作品を読破するのは大変かもしれません。まあ、無理のない範囲で読みましょう。


 この「感想を書きあう期間」が一番楽しいです。

 自分の作品に好意的な感想もそうでない感想も書き込まれますので、一喜一憂するのが常となります。「狙い通りになったな」と手応えを感じる時もあれば「作品の意図が読者にちゃんと伝わらなかった」という時もあります。後者の時は反省して次回に生かします。

 自分の作品だけでなく、他の参加者の作品につくコメントも興味深く読めます。「なるほど、そういう読み方があったか」と膝を打ったり、逆に「いやいや、あんたはこの作品の良さがわかってないな。かわりに私が褒めなくては」と張り切ったりします。

 コメントは1作品あたり20個くらいつきます。普通に趣味で小説を書いているだけだと、ここまで多くのコメントを貰えることは稀でしょう。読み手を求めている書き手には良い環境なのではないかと思います。


 ただ、この環境に馴染めない方もいるようです。原因はいくつかあるでしょうが、私の想像では「自分の作品についたコメントに過剰反応してしまう」というものが大きそうです。

「自分の作品を褒めてもらいたい」という気持ちはどの参加者も多かれ少なかれ持っていますが、その気持ちが強すぎる人だと、褒めてないコメントが書き込まれた時に深く落ち込んでしまうようです。大半の参加者は、良くも悪くも率直な感想を書き込みますので、そういうことはよくあります。

 落胆して参加を一度きりでやめてしまうご新規さんを見て、私個人は少し残念な気持ちになりはしますが、強く引き止めようとは思いません。もし『かきあげ!』が「どんな作品でも必ず褒めよう」という方針にすれば、より多くの参加者を取り込めるかもしれませんが、それでは率直なコミュニケーションが阻害されると思うのです。率直なコミュニケーションを楽しめる方を歓迎します。


 参加者の属性をざっくり紹介すると常連さんは30〜40代の社会人が大半です。20代の学生の方が数名。最高齢の方は60代。男女比は7:3くらいで男性が多いです。

 常連さん同士は20代の頃に知り合って時を経て順当に高齢化しているという現状があり、特に若年層の参加者を強く歓迎する雰囲気があります。30代以上の方も当然歓迎していますが、単にテンションの問題で「平成生まれが来た!」「学生が来た!」と盛り上がる素直な人々です。

 参加者の好みは多様です。私自身はエンタメを好みますが、より硬派な文学を書かれる方もいます。私がよくわからないジャンルの作品には「よくわかりません」と感想を述べるしかないのですが、たいてい参加者のうち数名がきちんと読んで評価してくれます。


 今までの『かきあげ!』で私が気に入った作品を以下で紹介させていただきます。得票数にかかわらず、純粋に私の好みだけで選定します。


『よみがえる親子探偵』(第1回イベント)

https://kakiage.org/articles/show/53b388e03467c73a4f92951f

 少年探偵物のパロディとして始まった(と思われる)シリーズ作品。第1回なのに「前回のあらすじ」があり、多くの読み手を幻惑させてくれました。文章の端々にユーモアが発揮されていて、読んでいて飽きることがありません。


『獺の壷』(第3回イベント)

https://kakiage.org/articles/show/5598cb91051f884576365f8e

 江戸時代を舞台にした「妖町シリーズ」のひとつ。毎回、妖怪が不思議な力で騒動を起こすのですが、終わってみるとほのぼのとした良い話になることが多いです。獺かわいい。あと傘(第4回イベント)もかわいい。


『心霊現象グランプリ写真部門冬大会』(第4回イベント)

https://kakiage.org/articles/show/56875bd193acb27401f94b41

 コメディ。幽霊たちが人間を怖がらせる技量を競う様子が滑稽。解説の柳さんも良いキャラしてます。ひたすらボケ倒されていて楽しかったです。同じ作者さんの『陶芸家、坪ノ内の日常。』(第3回イベント)もオススメ。


『裏。』(第4回イベント)

https://kakiage.org/articles/show/5685b0d42feddc7501bf5ef0

 この作品はジャンル紹介すらネタバレになってしまう感じ。ひとつ言えるとしたら「極上の変化球である」という点だけ。何がどう変化したかはご自身の目で確かめてください。『かきあげ!』史上最高傑作はこの作品だと思います。


『ふわっとね』(第5回イベント)

https://kakiage.org/articles/show/57b0b501492893f50009ee3c

 文体が特徴的。文を短く区切って詩や詞のように並べていて、リズムが心地良いです。ともすれば突っ慳貪になりがちな関西弁の語調を、丁寧に配置して優しい空気を作りだしています。「何かめっちゃええやん」と言いたい作品。


『私と物語』(第6回イベント)

https://kakiage.org/articles/show/5861648987b964f900395c64

 小説を書く意義を問う深刻で切実なエッセイといった雰囲気。我が身を省みるきっかけになりました。なぜ書くのかと問われたので、私は感想コメントで「楽しいから」と答えました。本稿前半で述べたように、楽しい率直なコミュニケーションの手段のひとつだと思っています。


『SPY&OPPAI〜スパイは二度揉む〜』(第6回イベント)

https://kakiage.org/articles/show/588e08b387b964f900395c84

 初志貫徹した下ネタ作品。サイト上の掲載順で先頭が『私と物語』、トリが『OPPAI』というのが『かきあげ!』の幅の広さを象徴しています。評価は大きく割れたようですが、私は続編を待望しています。新作でもいいです。


『オトマトメ』(第7回イベント)

https://kakiage.org/articles/show/599da4d1bcfea51100791a63

 芸術的かつ技巧的な作品。「好奇心旺盛な子どもが工場を見学した」というだけの話なのですが、語り口のおかげか、光景のひとつひとつが魅力的。文字通り「オト」がまとまっていくクライマックスも堪能できました。


 紹介したい作品は本当はこの3倍くらいあるのですが、紙幅の都合上この辺で失礼します。

「この記事を読んで書き手として参加することにしました」あるいは「書き手としては参加できないけど、作品を読んでみました」と言ってくれる人が、ひとりでもいると嬉しいです。ご参加、ご感想、お待ちしております!


https://kakiage.org

https://twitter.com/KakiageNovel

posted by 水市恵 at 00:50| Comment(0) | お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月26日

5/27(木)イベント登壇予定

三行日記じゃないです。
ブログ放置していてすみません。

Twitterでは散々呟いていますが、来る5月27日(木)、イヴの時間ファン感謝イベントに登壇させていただきます。

詳細は下記URL(イヴの時間公式ブログ)でご確認ください。
http://timeofeve.com/diarypro/diary.cgi?no=63

すでにチケットは即日完売で売り切れていますので、ご容赦ください。
登壇予定のご報告までです。

劇場版を上映しながら、監督と一緒に生でコメントさせていただくという2時間。楽しんできます。







「イヴの時間 劇場版」 [DVD]

「イヴの時間 劇場版」 [DVD]

  • 出版社/メーカー: 角川映画
  • メディア: DVD





イヴの時間 another act (ガガガ文庫)

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  • 作者: 水市 恵
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2010/03/18
  • メディア: 文庫



posted by 水市恵 at 01:50| お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月13日

3/20(土)イベントに登壇します。

三行日記じゃないです。

この度ノベライズさせていただいたアニメ『イヴの時間』。
小説版発売直後、20日(土)のトークイベントに登壇させて頂くことになりました!

当日、小説版『イヴの時間 another act』をお買い求めになると、その場でサインさせていただく予定です。

主役は気鋭の映像作家、吉浦康裕監督。水市は可能な範囲で裏話をぶっちゃける感じで頑張りたいと思います。『イヴの時間』を観た方、ご興味のある方に是非お越しいただきたいです。


日時:3月20日(土) 13:30〜 
    (当日、11時より整理券を配布予定)
場所:ジーンズメイト アキバあそび館6F http://www.jm24.jp/
内容:トークショー&AR・Tシャツ デモ
登壇者:吉浦康裕監督
    AR三兄弟様
    水市恵


http://timeofeve.com/diarypro/diary.cgi?no=58

posted by 水市恵 at 11:57| お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする